日本の人口減少問題

こんにちは。北見尚之です。

いま日本では少子高齢化、人口の減少が問題視されています。このまま少子化が続くと、2050年には日本の人口は9000万人程度に減少すると言われています。人口の減少はそのまま国力の低下となり、日本の地位は急落するとの見方が強いのですが、私は逆になぜ、明治維新以降、日本の人口は急増したのか、を考えてみました。

明治初期の人口は、3300万人。これは、江戸時代からほとんど変化がありませんでした。人口が急増したのは明治から昭和にかけてのわずか半世紀ほどの間です。明治末には5,000万人となり、昭和初期に8,300万人、戦後1億2000万人に増えました。

では明治以降の人口急増はどうして起こったのでしょうか?

そもそも当時の日本の国力、というより食糧自給力は約3000万石で、3300万人を養うので精一杯の状態だったはずです。また税収はほとんど軍備と植民地政策に割かれていましたから、食糧を輸入する余裕もありませんでした。ですから人口の急増は医学の進歩ではありませんでした。それは政府の政策としての富国強兵と殖産興業であろうと考えられます。

明治政府は、欧米列強と対抗するに、「産めよ、増やせよ」の人口増加策をとり、出産の補助金、育児費用などは現代よりもはるかに厚遇でした。ところが逆に人口過剰社会となり、数々の深刻な社会問題ともなりました。食糧自給率の問題から明治期の6000万人を国内では養えなかったのです。だから当時は海外移民が数百万人単位で行われたのです。

国内では食べていけなかったからです。それがアメリカ、南米ブラジル、そして朝鮮半島、中国、満州への移民です。当時、現代では想像がつかないような米騒動が大正、昭和にかけて起こっています。人口過剰による貧富の差は深刻なものだったのです。ですから当時は人口増加によって日本は破たんする、といった今とは真逆の警告を発する専門家もいたそうです。

そう考えてみると、人口減少は悲観する事ばかりではありません。いま、世界的には人口増加に向かっており、そのために世界規模での食糧、水不足を懸念する意見もだされています。そうなった時、はたして日本の人口減少は必ずしも悲観することとは言えないかもしれません。

北見尚之